短い話

□ヤキイモ
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「サスケ〜、焼き芋しよ」
玄関のベルが鳴り、出てみると、そこにはダンボール箱を持ったナルトが立っていた。

「焼っき芋〜★」
「どうしたんだ、その芋?」

ナルトが持っている箱の中には、たくさんの薩摩芋が入っている。

「カカシ先生がお裾分けしてくれたんだってば」
「カカシがねぇ」

(ナルトを溺愛しているイルカならともかく、何でカカシなんかが…)

「カカシ先生がサスケと一緒に焼き芋したらって。
先生もイルカ先生としたんだって」
「そうか…」
「なっ、しようってばよ」
「それをベッドの上で云ってくれたらイイのにな」
「???……っ///バカサスケ!!」
少しの間の後、意味に気付いたナルトが悪態をつく。
「バカで結構だ。ここでするか?」
「何考えてるんだってばよ!!」

真顔のサスケに迫ってこられ、ジタバタ暴れるナルト。

いつ人が来るかもわからない場所でなんかでやりたくない。

「焼き芋を、だせ?」

ニヤニヤと笑われ、まんまと引っ掛かってしまったことに気付き、顔がカッと熱くなる。

「行くぞ」

腕を掴まれ廊下を抜けると、中庭に着く。

ホウキを持ち、落ち葉を集め始めるが、サスケが留守にしていた間にナルトのモノと化したこの庭には、ほとんど落ち葉などない。

荒れ放題だった庭も今では、季節に合わせて異なった花が咲いている。

趣味を通り越して、すでにプロ並のナルトが管理しているのだから、当然と言えばそうなのだが。




***


「うまいってばよ★」

焼けた芋を満面の笑みを浮かべて、頬張るナルト。

(ヤベっ。可愛すぎる)

「サスケは食べないの?」

手が止まっているサスケを不審に思ったナルトが尋ねる。

(俺は、お前が食いてぇ)

「サスケ?」
「悪い。ボーっとしてた」
「めずらし〜」
「そういうことだってあるをだよ」
「へぇー」

つい、邪なコトを考えてしまう。
それを悟られないように他の話を振る。

「まだあるんだし、食いたいだけ食えよ」
「おぅ★」




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