短い話

□ソラ
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乾いた瞳に写るのは、いつも同じ蒼い虚。

それは、いつになっても変わらないはずだった。


『おめでとう』


もう何度となく数えた月日の中で、初めてプレゼントを貰った。

それは、たった一つの言葉。

たった一つだけど、涙が溢れるぐらい嬉しかった。


『生まれてきてくれて、ありがとう』


誰からも必要とされていなかった自分。

けれど、あなたは欲してくれた。

こんな、つまらない自分を……




次にあなたと見たソラは、真っ青な空だった。

雲一つない、青い青い空だった──





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