短い話
□ソラ
1ページ/1ページ
乾いた瞳に写るのは、いつも同じ蒼い虚。
それは、いつになっても変わらないはずだった。
『おめでとう』
もう何度となく数えた月日の中で、初めてプレゼントを貰った。
それは、たった一つの言葉。
たった一つだけど、涙が溢れるぐらい嬉しかった。
『生まれてきてくれて、ありがとう』
誰からも必要とされていなかった自分。
けれど、あなたは欲してくれた。
こんな、つまらない自分を……
次にあなたと見たソラは、真っ青な空だった。
雲一つない、青い青い空だった──
・
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ