短い話

□888リクエスト
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闇が訪れる。それは、終わりではなく始まりに過ぎない。


 とある屋敷の地下に広い部屋があった。この部屋には、ベッドと本棚以外の家具は何もない。
 ここで、一人の少年が暮らしていた。金色の髪に碧い瞳の彼は、白い肌の上に紅い着物を纏い、ベッドの上でぼんやりとしていた。頼りない彼の足首には、銀色の鎖が光っている。それは、ベッドの柱に繋がっていた。

 物音がして、この部屋に一つしかない扉が開いた。入ってきたのは、この家の主であるうちはサスケ。彼はベッドに座って、少年に声を掛けた。
「今日はなにをしてたんだ、ナルト?」
「いつもと同じように起きて、食事をとって、本を読みました」
 ナルトと呼ばれた少年は、サスケの問いに答えた。
「どんな本だ?」
「銀河鉄道の夜です」
「じゃあ、これはなんなんだ?」
 サスケの持っている本は、布団の中にあったものだ。まるで、隠すように入っていたその本は、ナルトの言った本とは違うものだった。
「ナルト」
「…それを読みました」
「誰が持ってきたんだ?」
 この部屋にあるものは、全てサスケが買ってきたものだ。そのため、他の人間が持ってきたものは、全てわかってしまう。
「食事を運んできてくれた人です」
 声は優しいのに瞳が笑っていない。
「俺は、誰とも口を利くなって言ったはずだよな」
「そんな…。ほんの少しだけです」
「口を利いたことには変わりないだろ」
「けど」
「黙れ」
 怒気を含んだ声に、ナルトの身体が震える。
「約束を破ったらどうなるか、わかってるよな」
 震える身体をベッドに押さえ付けると、深い口付けを交わす。

 夢現の状態になっても続けられる行為。それは、夜が明けるまで続く。
 気を失うようにして眠るナルト。


      また、闇がくる



        End

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彪部サマ、素敵なリクをありがとうございました。初めてなので、ドキドキです。
ご期待に添えているかどうか、不安です…;;
鬼畜になる予定がシリアスなかんじになってしまいました。スミマセン

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