短い話
□サスケの受難
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12月24日。
今日は世に言うクリスマスイヴ。寒い夜に恋人たちが甘い日を過ごす日。
あぁ、なんていい日……
なんて言えるのは一般人だけで、夜々働いて恋人に会えない人々もいるのだ。
彼、うちはサスケもその一人だ。
彼は恋人と一緒に過ごすために色々な準備をしていた。可愛い恋人と二人っきりの甘いクリスマスイヴにするために……。
しかし、彼の野望はことごとく打ち砕かれた。
彼の国の最高権力者・火影は、彼の恋人 うずまきナルトを大変可愛がっていて、悪い虫が付くことを心配している。だから、ナルトの恋人が気に食わない。 ナルトが好きで付き合っているので仕方ないが、そうでなければ、即刻絞め上げて、生きていることを後悔させてやると決め込んでいるくらいだ。
とにかく、少しでも邪魔をしてやろうと、彼女は最大限の力を尽し(職権濫用とも言う)先手必勝とばかりに、サスケを砂の国の護衛任務に行かせたのだ。
***
ようやく任務から解放されたサスケは、たった今、必死で走っている。
砂の国から木ノ葉までは片道3日掛る。全てを計算した上で、火影は任務を与えたのだ。
「あの、くそババア〜」
ぶつぶつと呟きながらも、確実に木ノ葉に近付いている。