短い話
□Star Festival
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今日の合同任務は、七夕のために笹の飾り付けをするという、言わばお祭りの準備だ。
一番大きな笹を里の中心部に飾り、自分自分でたんざくを飾るようになっている。
「サスケはなんて書いたんだってば?」
「……なんでもいいだろ」
「気になるってばよっ」
「…… 」
赤い顔をしてアイツが言った願いは、なんだっただろう。
「七夕かぁ」
カレンダーの日付は7月7日。アイツがいない2回目の夏。
久々に集まったメンバーでたんざくを書きながら、昔の話で盛り上がる。
ただ、アイツの名前だけは出てこない。
「ナルトはなんて書くんだ?」
隣で書いていたキバが覗き込んでくる。
「もちろん、火影になれますようにって」
でかでかと書いたその紙を見せてやると、キバは笑った。
「お前らしいなぁ」
『…お前らしいな』
「どうかしたのか?」
突然立ち上がったナルトにキバは驚いた顔をしたけれど、そんなことは気にならなかった。
「ゴメンってば。俺帰る」
言い置いて、その場から駆け出した。
「おっオイ」
背中に掛った声は、聞こえていない。
引き出しにしまったたんざく。
あの時、アイツが渡してくれた、託してくれた願い。
やっと思い出した。
『また、2人で七夕を』
ずっと忘れていた約束。
ただ、がむしゃらに走った。場所は考えなくても、体が覚えてる。
「……遅いぞ。ウスラトンカチ」
あの時と同じように、アイツは笑って待っててくれた。
「さすけぇ」
俺は腕を広げたサスケの胸に飛込んだ。
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End