お題

□拭えない涙
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ソワソワと音を立てるかの用にガイはナタリアを見ていた。
それほど手伝いたいなら近くにいけばいいのにと誰もが突っ込むであろう。

それができれば容易であるのだが、それはどうしたって無理だった。





拭えない涙





ガイはナタリアの一生懸命な姿に心奪われながらも、ただ遠くから見ているだけだった。
手伝えれば良いんだけど……


先ほどから同じ言葉ばかり頭の中に浮かんでいた。



零れ落ちそうな涙を自分の手で拭ってあげられたら…




「っ…」
「ナタリア…」


ぽろりとナタリアの瞳から雫が零れた。

ふと気付くと目元が赤くなっていた。
我慢するのは辛いだろうが、必死にナタリアは出さないように堪えているのが痛いほどに分かる。







ただ俺は見てるだけしかできなかった。







「大佐……」
「放っておきましょう」
「っていうか…ナタリア…玉ねぎのせいで涙流しただけなんだけどね」
「ははは。それでも良いんじゃないんですか?ガイにとっては」



料理で玉ねぎを切るナタリア。

見つめるガイ。

眺めるジェイドとアニス。



ルークとティアから見れば、ある意味異様な光景だった。





「きゃっ!」
「ナタリア!俺がやるから…!!!」





END



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