お題

□「愛してる」と伝えること
1ページ/3ページ





【「愛してる」と伝えること 】



いつから?なんて知らない。

誰だって明確には分からないだろう…


近くにいて、少なからず支えていて…支えられて…



目で追っている自分に気付いて…


でも伝えたりはしなかった。



ナタリアはいつもルーク(アッシュと言うべきか)を見ていたし、自分は多少の恨みがあったし…
葛藤の中でずっと過ごしていた。







「ナタリア…元気だったかい?」

「えぇ。気遣ってくださってありがとうございます」

「はは…幼馴染みだからね…こうマルクトとキムラスカで離れていれば気に掛かるさ」

「そうですか?貴方はいつも私やルークのことを気にしてたと思いますわ」

「そうかな?」

「そうですわ」



顔を見合わせると、同時に笑い出す俺たち。
あぁ…ナタリアは笑い方も笑い声も変わっていない…安心した。



アッシュがいないことで沈んでしまうかと思ったけれど…いや沈んではいるんだろうけれど…
でもその雰囲気を出してなかった。


少しでも気を楽にしてあげれば十分だ、自分には…




この想いを伝えるには、まだ身分が違いすぎる…
一応貴族…ということにはなっているけれど…ある意味、まだ名だけで使用人と似たようなものだ…



まだ無理だ…自分に言い聞かせる。




.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ