お題
□不憫な人
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最近、俺ってここで一番不憫な人間じゃないのか?と思った。
六神将に入っていないということは仕方ない。
導師派でヴァンやモースと対立してるからな…
でも地方に送られる数をもっと減らしてくれないだろうか…と思う。
帰ってきて休んだと思ったらすぐに指令だ…
もう少し休ませてほしいと思う。
「どうしようかねぇ…」
「何がです?」
「いや、なんでも…」
ただ今俺がいるのはネイスの部屋。
アリエッタに用があったがネイスの部屋にいると聞き訪ねたのだ。
アリエッタへの用は終わったがこれといった仕事も今日はなかったので、そのままアリエッタと一緒にネイスの部屋にいた。
ネイスは報告書を書いているようで、視線と手は書類に向けつつも耳は傾けてくれていた。
その証拠に相槌もちゃんと打ってくれている。
「貴方肝心なことは絶対に話しませんよね、特に自分に関しての事は」
「え?カンタビレは話してくれてるですよ?」
キョトンとした瞳で俺を見るアリエッタの動作は子供のようだ。
いや、自分からしてみれば子供なんだけど…
そんな彼女に対して少しばかりの罪悪感。
本当に少しだが…
「この人は貯め込むタイプで、こうだと決めたら誰が何と言おうと聞かないとか…半分意地になっているだけだと思いますけど」
「俺が呟いたのは遠征数をもっと減らしてくれないか、なんだけど」
「それは無理だと思う、です」
即答で言われてちょっと悲しかった。
やっぱり俺は不憫なんじゃ…
埃が目にしみるぜ…
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