六神将で20のお題

□不平不満
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「〜〜う〜…っく…」
「…ディスト、もう没収するぞ」
「あぁ!何するんれすか〜」

「…飲みすぎだ…」


リグレットがディストの手から没収したもの、それはお酒だった。

普段ディストは酒を飲んだりはしない。しかし何故か今日は珍しく自分で購入し、何時間も酒を飲み続けていたためにディストはこれ以上ないくらい酔っていた。
見ていられなくなったリグレットは無理矢理ディストの手から奪い取り、周りに散乱していた空の酒ビンも一つ一つ片付け始める。


「…あ〜…すみましぇーん」
「そう思うなら独り飲みはやめろ、愚痴なら聞くぞ」
「リ〜グレットは〜やさしいですね〜〜」



二人の様子を少し開いているドアの隙間から除くアッシュ達。
どうやら心配でたまらないらしい。


「どうしたんだ、アイツは」
「さあな。俺達かもしくは総長が何かしたのだろうか」
「ヴァンに何かされたなら、僕が一発絞めて来てあげようかな」


ディストが珍しく酒を飲んで、飲んだくれている理由はヴァンとは決定してもいないのに何故かシンクは絞める準備は万全だった。



「ディスト、どうかしたのですか?」
「アリエッタ…お母さんだって酒ビンを何本も飲みたい時はある。ディストも同じだ」


それは何か違う、とシンクとアッシュは突っ込みたかった。







「リグレット…」




「あ、ディストが話し始める。静かにしなよ」

ぽそっとディストの声が聞こえたのをシンクは聞き逃さず、何故こんな状態になっているのかをとにかく知りたかった。



「リグレット!わたしはぁ…!あの子達が心配なんですぅ!!」

「は?」
「アッシュ達ですよ!」


俺達のこと?と、その言葉を聞いたアッシュ達は眉を顰める。
自分達は何かしたのだろうか…少なくとも最近はテレビのチャンネル争いの喧嘩はしていないはずだ(おい)


「あの子達の将来が心配で心配で…アッシュもシンクも相談事は何も話してくれないし、すぐカッとなって手は出るし、アリエッタの魔物と話せる能力はいいと思います。だけど魔物とずっと一緒で人間の友達を作らないというのも心配で心配で…」
「そうだな…(本当にお母さんだな、ディストは…)」


(…………)


自分達の心配をそこまでしてくれているディストに感動するシンク達。


「なんかアッシュの頭は上の方から禿げていきそうだし…」


(んなことどうでもいい!!!)
感動した途端、アッシュはディストに対して一瞬殺気が湧いた。


「色々心配することがあるんですよ〜」
「私にしたら、今のお前を見る方が心配するけどな…」


(その通り、リグレット!!!)


あれだけ酔っているのだ。
明日は間違いなく二日酔いだろう…
頭痛と吐き気で一日動けなくなるのは目に見えているな…とすでに起こるであろう光景が浮かんでいた。



「まぁ、そんなとこが彼らなんでしょうけどね……」


「「「………」」」

「部屋へ戻るぞディスト」
「ふぁ〜い」
リグレットに肩を借りながら部屋へ戻って行ったディスト。
ドアの隙間から見えるのは、空になった酒ビン達で、先ほどまで飲んでいた人間がいた雰囲気などまったく感じることができなかった。


「お片づけ、するです…」
「全く…大人なんだから後始末くらいしてほしいよ」
「……」



1本1本丁寧に片付けながら、ディストは一体どれだけ飲んでいたのが気になった彼らだった。






* * *






「うぅ〜頭…痛い゛…」


次の日、予想通り寝込んだディスト。
ベッドの周りにはアッシュ達がいた。


「ディストディスト、安静にしてるです!」
「日ごろアンタを悩ませている僕達が作った手料理、食べなよ」
「……屑が」






END

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