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【 Love is over 】
濃厚な空気に交じる甘い香水の香りと、鋭さを残す煙草の匂い、そして年代物の赤ワインの芳香が少々。
囁かれるのは愛の言葉。
「愛してるわ」
「分かってる」
「アナタは?」
「勿論。君が想う以上に」
触れ合うほど近付けた口唇が互いに紡ぎ、ひとつひとつが甘く絡み付く
「いっそ殺してしまいたい程に」
右手は質の良いネクタイを緩く絡ませ男を誘い、
ボタンを悪戯にその綺麗に手入れされた爪で弾く。
左手はまだ水滴の残るアイスピックを喉元に突き立て、
息を呑めばぐさりと一発刺さる位置で寸止め。
「それは身に余るお言葉」
左手は女のしなやかな長い銀髪を緩慢な動きで撫でながら下りていき、
腰の辺りでぴたりと止まりその身体を引き寄せる。
右手は鈍く黒く光るリヴォルバーを握り、
こめかみに押しつけながらその引き金を弄ぶ。
「赤ワインにも飽きたから
たまには違う赤も好いわね」
ピックの先が皮膚をなぞる。
「確かにそれも一興」
くすりと互いに浮かべるのは艶笑。
「銃フェラってのもアリかも」
スライドされた銃口は艶やかな紅い口唇へ。
「するならアナタのが好いわ」
左手で軽くその黒い塊を押しやれば距離は0。
「噛み切ってやりたいもの」
まさに0(ラブ)だわ、と誰かが嗤った。
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激しい暴力的表現は好みませんが、軽い感じのバイオレンスな恋愛は好きです。