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【羊が一匹、執事が二匹、】
メイドさんが、
冥途(めいど)の旅にご案内。
萌えとブラックジョークの融合、イカしたＡ系おやじギャグ。
だっせーって笑ってやりたいけど、
俺は今それどころじゃない。
只今の時間AM7:05。
JR逸見田駅西口学園通りを西南へ進行中。
いつも通りの通学コースにて
萌え系メイドさんではなく、
俺は執事に追われてる。
あ、
今笑ったろ。
俺も笑いてぇけど、さ。
ちょーど今後ろ向いたらいるんだよ、執事が。
日本の慣習的風景、通勤ラッシュにまっっったく溶け込まないタキシードに、白い手袋、オールバックの若い兄ちゃんが俺の後方約五メートル短距離ランナー真っ青の完璧なフォームで走行中。
何でか知らないけど俺はコイツに西口を出た瞬間から追われてる。
突然、
『大人しくお縄に掛かりなさい！小谷ユウキ！』
と、まったく見ず知らずの他人から、明らかに時代錯誤の台詞を朝からフルネーム付きで呼ばれてどーしろっていうんだ。
模範解答があったら教えてほしい。
ワケ分かんなくて止まってたらイキナリこっちに向かってダッシュ。
ムチャクチャ必死の形相で走ってくるもんだから思わず逃げて今に至る。
いやぁ、超怖ぇよマジ顔の執事。
アレ見たら鬼婆っているんじゃね？と思った。
祟りも呪いもアリだね。
つーか、俺なんで追われてんだって話だよな？
何かさっき若い兄ちゃんにセバスチャン的おっさんが追走してきて話してたんだけどさ、
『執事たるもの小谷ユウキの捕捉が出来て当たり前ですよ』
とかいって喝入れてた。
俺耳いいから聞こえんだよね。
･･････てか何で俺？
ってオイオイオイオイ
いつの間にか増えてね？執事。
執事が一匹、執事が二匹、執事が三･･････って一体何人いんだよ執事？！
だから何で追われてんだよ、俺！！
助けろ、誰か！！
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ﾊﾞｲﾄ中に浮かんだおかずにもならない奇っ怪ｼｰﾝ。
多分銀魂の表紙がﾒｲﾄﾞさんだったから想像の翼が広がったものと推測されます。
駅の名前はﾃｷﾄｰです。
しかしなにゆえ執事･･･。