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※たまに下品な表現がありんす。お気をつけやす。







『鬼は内にも外にも居る』


日付は立春二月四日、時刻は未明。
白鶯館のとある一室に駆け込む男が一人。



「今何時やー?!!」

「開高くんおつかれー」

「おうっ!おつかれ園衞!んで今何時や?!」

「十二時を四半時(15分)ばかり過ぎてますよ」

おぅまいがっ!!
嗚呼ぁあかん、春が勃ってしもうたぁぁあぁ」

「開高くん、『たつ』の字違うから。
それで、立春だと何かいけないんですか?」

「今日が立春なら昨日は節分やん!豆まきも恵方巻きもなんっもしとらんのやって!」

「あー昨日二分(第二分隊)は奏浜でしたもんね」

「折っっ角干瓢(かんぴょう)一からこしらえて、桜でんぶ買い込んでワクワクしとったんに!!」

「激務の間に恵方巻きの下拵えまでしてたんですか。おつかれさまです」

「今年こそは喋らんと一本丸かじりにする予定やったんにー°・(ノД`)・°・」

「(食べる前から喋ってそう)
じゃあちょっと過ぎましたけどしますか?節分」

「やる!こうなったら意地でもしたるわ(゚Д゚)
で、どないしたらええやろ?」

「即席で出来るのは豆まきでしょうね。恵方巻きは食堂に頼めば良いんじゃないですか?」

「おぉっ!('∇')そやな。じゃ今から豆と恵方巻き頼んでくるわ!」

「いってらっしゃーい」



── 数分後 ──




「ただいま〜。恵方巻きはあとで届けてくれるって。せやから豆だけ貰ってきたわ」

「ちゃんと炒り豆ですねぇ。石礫でも良かったのに(ぼそっ)」

「園衞、何に当てるつもりやねん(汗)」

「これって年の数だけ食べるんですよね」

「そーやで。オレ21個も食べられるかなぁ」

「無理そうなら突っ込んであげますよ」

「んー遠慮しとくわ(^◇^;)」

「じゃあ、あとはまくだけですね」

「まぁ鬼はおらんけど一日過ぎとーけええわな。掃除すんの面倒やけ外にまこうか」




第二分隊隊長、第一分隊隊長、外界に向かって二階より豆(炒りたて)をまく(というより投げつける)。




「鬼はー外、福はー内」

「なぁ、これって鬼は内、福は外やったらあかんの?」

「逆の地域はあるみたいですけど、鬼入れたいんですか?」

「鬼入れたら何か強そうやん」

「まぁ強そうですけど・・・本当に入れたいですか?」

「へ?(・ ・?)」



失敗すればすぐ抜刀・粛清をするような鉄拳制裁の銀髪の上司とか、時間に厳しいというかすでに全方位取り付く島もない鉄仮面眼鏡の上司とか、ゆるやか笑顔で猟奇的加虐趣味の事務方とか、

そんなのがいるのに本当に鬼なんて入れたいですか?」



「・・・・・・うーん・・・やっぱ福は内だけでええわ」

「それがいいと思いますよ」

「わざわざ災い引っ張り込まんでもええもんなー」

「もう充分溜まってますからね」



【えんど】


開高くんと園衞んの会話録でした。
深夜、仕事開けなのでテンションが微妙です、この子達。
いや、いつもずれてるかもしれない。
ちなみに二階から投げられた豆の威力は石礫以上です。
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