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□parody
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※注意というか警告というか※
自分のキャラを軽くぶっ壊してみました。
日記連載のあの二人が多分一生ならない位置関係。
結構甘いよ!
●○●○●○●○●○●
粉雪なんて可愛らしいふわふわした水の結晶も、積もればそれこそ外を真っ白なキャンバスに塗り替える。
見事にその雪に染められ埋もれる街を窓辺から眺めながら溜め息を吐いた。
多分今日も一人なのだろう、と。
コツン、
控えめだが確かな音が窓から響いた。
音のした方向へ顔を向けるとまた音がする。
コツン、コツン
多分窓に何かぶつかっているのだろう。
何気なく窓に手を掛け少しだけ開ける。
部屋の暖かい空気が抜け、外の冷たい風が代わりに入り込む。
ふわりと冷風が髪を掻き上げるのも構わずに顔を窓の外に出すと、男が一人降り積もる白い雪の道に立っていた。
本当なら今日もいないはずの恋人が。
「紅(べに)!」
こちらに気付くと手を大きく振り笑顔を見せて名前を呼んだ。
その手には小石のようなものが握られている。
あれが窓の音の正体らしい。
「・・・・・・何しにきたんだよ」
「何って紅に逢いにきたんだよ?」
嬉しさよりも恥ずかしさが勝ってぶっきらぼうに溜めて言葉をかけたのに、男は直ぐ様答えを返す。
「あと一週間は向こうじゃなかったのか?」
「無理矢理終わらせた!」
だって紅に逢いたかったから!と惜し気もなく声を張り上げる。
なんて恥ずかしい奴だと思いながら赤くなりそうな顔を背けた。
「クリスマス悪かったな」
「別に。いつものことだし」
「だから埋め合わせ。ちょっとこっち来て」
今度は手招き。
部屋に上がって行けばいいのにわざわざ寒空の中に呼ぶ気が知れない。
少し様子を見る為に放っておいてもまだ待っているものだから仕方なく腰を上げた。
「リオ」
名前を呼べば年に似合わぬ無邪気な笑顔が見える。
「行ってやるからちゃんと受け取れよ」
少しだけ開けた窓を勢い良く開け放つと、迷わず眼下に飛び降りた。
思わぬ行動に間抜けな顔を晒す恋人の元に飛び込む。
勢いに任せて飛び付くと二人分の重さに負けて見事に後ろへ倒れこんだ。
雪が馬鹿みたい積もっているからできる荒業。
我ながらなかなか大胆だと思う。
「うぉっとっ!紅、大胆」
「煩い」
思えばすごいことをしたんじゃないか?という考えに思い当たると、急に恥ずかしくなってそのまま顔を胸に埋めた。
「なになに?玄関すっ飛ばすほど俺に逢いたくてたまんなかった?」
「・・・うん」
素直に答えたら急に固まった。
それはもうぴったりと。
電池切れの玩具みたいに。
「・・・・・・そーゆー可愛い反応するとここで食っちまうぞ」
相変わらず即物的だと抗議する為に顔を上げたら、余裕の笑みを浮かべていると思った顔は困ったように少し歪んで赤くなっていた。
「戯け。ここは寒い」
「紅がいれば関係ないよ」
言葉とともにぎゅっと抱き締められる。
所々冷たい感触が伝わるのに密着する部分はじんわり熱い。
「・・・・・・あ、ごめん。プレゼント置いてきた」
「己なんて用意してないぞ」
「え、それひどくない?」
「嘘。でも今持ってないからとりあえずこれで我慢しとけ」
そう言って両手で頬を包み込み触れるだけのキスをした。
いつもは絶対しないこと。
淋しすぎておかしくなったんだ、きっと。
「もー、紅〜!これ以上俺を惚れさせてどーしたいわけ?!」
突然叫んでいきなり立たされたかと思ったら、しっかり抱き締められたままぐるぐる回り始めた。
オルゴールの人形のようにふわりふわりとリズムを付けて、くるくるくるくる踊るように。
「リオ?!」
「今、俺すっげー叫びたい!
俺は世界一幸せ者だ!見ろ!こんなに可愛い恋人がいるんだぞ!」
豪快に笑うリオをはたいてやりたくても手を離せば砲丸投げよろしく吹っ飛ばされるので仕方なくしがみつく。
でもちょっとこの状況が嬉しいのは絶対言わない。
一通り叫ぶとようやく地に足が降りる。
次は真正面から顔を覗き込まれた。
「プレゼントはまたあとであげるから、紅もコレで我慢して?」
手の甲に恭しくキスをして一言。
「世界で一番君を愛して止まない男を君にあげる」
それだけ充分だと思ったことはまだ秘密だ。
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どうだ!湯水のごとく砂糖を吐けるほど甘いだろ!
現パロss第一弾にして本編を鑑みると地雷級。
モデルはあえて言いませんよ。判り易すぎて。
本当は日記連載はあんな甘さも含むコメディだったんですよ!
書き始めたらどんどんシリアス方面爆走中ですけど!
本編で二人がくっついたら多分話が終わります。
誰か死んだり組織が瓦解したりします。
嗚呼なんて可哀想な子たち。