立海

□片想いシンフォニー
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気付けばいつも私はヤツを見ていた。

同じクラスの切原赤也。

私はクラスに特別仲の良い友達がいる訳でもなく、ただ一人でいるのが好きだった。過去形なのは今はそれが酷く寂しいからで、ある。


切原赤也という人物は同級生から上級生と様々に人気で明るく、その憎めない性格からか友達は多い。私とは正反対。



ほらそうしている今またヤツの周りには人が集まっている。女子男子みんなが楽しそうに笑い合っている。


ふと、切原と目が合った。

けれども切原は何を気にする訳でもなくまた輪の中で冗談を言い合い笑っている。


私は、静かに切原を見続けている。



表面上だけでも明るくなれたら私もあの輪の中に入れたのだろうか。

みんなに笑顔を向けているヤツの顔を見ていると強い吐き気に襲われた。

気持ちが悪い、胃の内容物全てを吐き出したい。うえ、なんだろ。またかよ。気持ち悪い。てめぇ笑ってんなよ。大嫌いだ大嫌いだ大嫌いだ

全て無くなってしまえ



泣きたくなる気持ちを押さえて私は唇を噛み締めた。







今なら圧死できそうな気がする

(なんて強い圧力)
(恋ってこんなに苦しいものなの?)
(え、恋?)
(圧死→物に押し潰されて死ぬこと)



end.

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