底知れぬ悪意と
□二日目
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閑話・風なびく夢に
夢を見た。
小さな島。
クッキーの欠片のような島。
何のへんてつもない島。
だけどそこから。
血の臭いが漂ってくる。
生々しい感情と共に。
今までロコ*モコの力で、いくつもの夢を受け取ってきたが。
ここまで強烈なのは初めてだった。
何だ?
何が起きている?
島に近付く。
強くなる血の臭い。
生々しい感情。
「──────ッ!?」
何だこれは。
有り得ない。
普通じゃない!!
『……ごめんなさい……。これ以上干渉できない……』
「そ、うか……」
伸ばしかけていた手が、力なく下ろされる。
「……そうか。それなら、そのまま夢を繋げておいてくれ」
ロコ*モコが干渉できない夢?
そんなの初めてだ。
これは普通の夢じゃない。
────もしや……
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