底知れぬ悪意と
□そして、鐘音
4ページ/8ページ
「……ほんとにこれ、夢なんだよな?」
リアルすぎる夢は、現実だ。
ショルキーもそう言っていた。
だから最初から夢だと暴露されても、信じる事が出来なかった。
今改めて聞いたところで、やはり信じないだろう。
それでも聞きたいのだ。
何度でも聞いて、信じきれないくせに安心したいのだ。
その心情を見抜いたように、彼女達の笑みは深くなった。
「心配しなくったってちゃんと夢だってばー」
「こんな事に嘘ついても仕方ないでしょー」
確かに、そうなのだが……
凄まじい消化不良の感覚が全身を包む。
彼女達が話の通じない、宇宙人のように思えてきた。
.