底知れぬ悪意と
□裏切りの人…神兵・初日
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「あ、」
「あ、」
ばったり、と。
あの、前回の一日目と同じように。
ラッテは彼と出会った。
「……こんにちわ、かな?」
「久しぶり、テルオ。ううん、前回振り、かな?」
「そうだね。また、彼女と一緒に呼ばれる事になるなんて、思ってなかったよ……」
溜め息をつくテルオの表情は暗い。
そうなるのも無理はないだろう。
何故また、こんな無意味で苦しいものに参加しなければならないのか。
しかも今回はその『遊戯』に乗った裏切り者がいて、更に腹立たしい事に……
「それで、今回はどうするつもり? また前みたいに逃げるの?」
からかうような口調で言われた意地悪な質問に、少しだけ目を伏せて首を横に振った。
「今回は……逃げないよ。だってあの二人がいる」
そう言って草木の間から人間を取り出した。
その時にまだ生きている事に気付く。
それなりに深手を負わせた筈なのだが。
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