底知れぬ悪意と

□裏切りの人…神兵・初日
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「……確か彼、アーティストのアイスだよね?」

「そうなの? 《物質界》の常識は持ってるつもりだけど、流行とかには疎いからなー」



右手の人差し指をくるくると回して、風属性白魔術『空気圧(ソニックビート)』を発動させる。

自分は魔術師種(ウィザード)だ。
魔術で戦う事の何が悪い。

そう開き直って、カマイタチを放つ。

ぶつん、と嫌な音がして、アイスの首が地面に落ちた。



「……ところで、『神兵』って誰だと思う?」



急な方向転換に、しばし呆けた顔をしたテルオだったが、すぐに引き締めて返答する。



「分からない。けれど前回の参加者の中にいると予想している」

「理由は?」

「僕だったら体験者を選ぶ。強さや行動も確認済みだし、それを元手に交渉しやすい」

「だったら私、ロッテとロキを信じていいんだね?」



否、信じたい。

そんな思いが表情に出てたか、テルオは痛そうな顔をして、無言でラッテの頭を撫でた。



「……ついてくる?」



別にどちらでも構わないけれど、という副音声付きの言葉に、少し考えたが答えは決まっている。



「私は、一緒に行きたいよ」



また、手を組む事になった。










アイス 脱落
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