底知れぬ悪意と

□三日日
2ページ/32ページ

閑話・……生き残ってやる……



どくり、と突如発熱した感覚。思わず息を鋭く飲み込み、胸元を握りしめる。
自身の身体が焦げ付く感覚。実際に燃えているわけではないのに、吸い込む空気が熱く感じる。

何故、こんな時に。

風に乗り、腐った臭いが鼻を突いた。近場に死体があると思われる。敵も、いるかもしれない。

離れなければ。
こんな不調では戦えない。

「────」

治まれ。
治まれ。
もう少しだろう。
後、二十四時間。
あいつら以外、どうでもいい。
あいつら以外の、どんな奴らを殺しても。
オレは生き残る。

五人の枠に、収まってやる!!

「……生き残ってやる……」

その執念が、胸のくすぶりを強くした気がした。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ