【ワイルドヘヴン】

□Number-18
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「何が?」
尋ねたケイメロの真似をしてチュニも、
「なにがーなにがー」
とまぜっ返した。
「…いや、」
どう答えていいかわからないで戸惑うゼッカイの青い身体に、チュニがよじよじと昇ってきた。
「ゼッカイ、だっこ〜」
「疲れたのか」
「ここ広いのにせまいのね、らからチュニ疲れちゃうのね」
広いのに、狭い。チュニの言葉によってゼッカイは違和感の正体に気付いた。
そうだ、おかしいのは、この広さに対して、"足りない"のだ。情報が。圧倒的に。
「匂いの範囲が、狭すぎるんだ…」
200メートル風上に聳える、あの硬そうな植物の匂いが、何故ここまで届かない?
「隠れている。奴らが」
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