【RとP、そしてG】

□第10章
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地上に戻り、ペンネ達から詳しい状況を聞いたおれは驚愕した。
事の次第は、こう。
おれ達が塔にいたあの日、通信の小箱はバラキアさんによって一時的にスイッチを切られていた。会話が盗聴されるのを恐れたからだった。だがハデスはその間、小箱が不通になったのを疑問に思い、ひそかに西の塔に密偵を飛ばしていた。
密偵が塔に着いた時には、既にバラキアさんとリータは逃避行に出発していて、塔の魔物達もみんな何処かへ散っていた。ただ1人、門番を除いては。
門番は、変装をしてないおれ、勇者が窓から逃げるのを見ていた。悪い事に奴は、ガチガチの魔王崇拝主義だったのだ。
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