【RとP、そしてG】

□第13章
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とにかく。司会者の居る穴の向こう側の窓から、審判人はおれの事を見ている。それは確かなんだ。南の方、斜め上。視線は感じる。洞窟の中に居ても、視線が、空から洞窟を透かして見ている感覚が、おれにはあった。
コンタクトの開始。おれは黒い板を視線の方向へ、くるりと向けて。文字を指し示す。
あ、ん、た、は、せ、か、い、を、ど、う、す、る、つ、も、り、な、ん、だ。
板の反応を待つ。チカチカと文字列の上を光が走る。
ポチリ。『け』ポチリ。『す』
ゴクリ、とおれは生唾を飲み込んだ。やっぱ、消すのか。畜生、マジかよ。
『けすつもりない』
なっ…フェイントかよ!ふざけてんのかコイツ!
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