【片隅にエレジィ】

□第1話
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セド=グレイムは最近とみに酷くなる一方の胃痛に耐えながら、ボスの話を直立不動で聞いていた。
「…やつらを罠にかけておびき出し…させれば…我が手中に…」
何が我が手中、だ。俺より若いくせに。と、セドは思った。綺麗に整った、坊やのような顔の上級魔族。近頃はこういう若手が仕切る組織が多い。悪行に快楽を感じながら冷酷に事を進める手腕はなかなかのものだが、そういう手合いに限って、ファッションか何かのように手下をいたぶって見せる。それがカッコイイと思っているのだろうか。
「行け!我がシモベども!」
声が響き、セドは慌てて他の仲間達と共に飛び立った。
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