【ワイルドヘヴン】

□Number-24
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エレキングのごつい車体で路上駐車するのは非常な迷惑行為である。だが通りがかりにクラクションを鳴らしていった四駆の車に対し、佐古田は
「うるっせえな…何様だ」
と呟いた。こちらが悪いにもかかわらずだ。尾沢は佐古田が少しずつ調子を取り戻し始めてきたことを敏感に感じていた。
「それにしてもこれ…マジなんですかね?」
尾沢が黒い箱のような物体と、後部座席のシートの上をポンポン跳ね回るマルモリ・エキセップスとミミックネコダコを交互に眺めながら、尋ねるともない言葉を吐くと。真佐美の手紙に見入っていた佐古田は
「クソッ、あの女…使用法書いてねえし」
と、舌打ちした。
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