【ワイルドヘヴン】

□Number-29
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酷く、揺れた。
地下の「飛び穴」と繋がる通信管から
『きゃああ何か飛んできたあああ』
『こわいーっ』
などと悲鳴が上がる。球体つまり「乗り物」内部で発射の合図を待っていたチュニとゼッカイは突然の衝撃に舌を噛みそうになった。
『あいたっ!なあに!いますごい揺えたよっ』
『何が起きたケイメロ』
ゼッカイはヤヌス星原産の植物を利用した通信管に向かって尋ねた。
『…拙い事になったわゼッカイちゃん、』
一瞬遅れてケイメロが穏やかでない匂いと鳴き声を送ってきた。
『キタイが、損傷した』
ゼッカイは「キタイ」という言葉を知らなかったが、何故か嫌な予感に毛が逆立った。
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