【ワイルドヘヴン】

□Number-02
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失敗した。
ゼッカイは、ミミナ星語でそう呟きながらよろよろと物影に隠れ、その横の地面にあいていた穴のようなものの中に潜り込んだ。中は暗く、湿っている。少し気分が落ち着いたが、何だか体が重く、うまく動けない。
あの小さな、硬い毛のようなものは、やはりよくないものであった。毒か、そうだ毒だったのだ。抜かねば。
ゼッカイは青い体から、器用に前足で、佐古田に撃たれた麻酔針を引き抜いた。
しかし、体の重さはもとに戻らない。それどころか、時間がたつほど、ゼッカイの意識はますます混濁してくるようだった。
何か食わねば。
ゼッカイは穴の奥へと歩き出した。
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