【ワイルドヘヴン】

□Number-05
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チュニは「おばあちゃんの家」を出た途端、
「クワ〜ッ!」
と鳴き声をあげて駆け出そうとした。そこは過疎化した町の名残の廃墟であったが、初めて見る風景には違いなかった。興奮するチュニの首根っこの毛を掴んでゼッカイはもう一度、家の中に引きずり込んだ。
『わーなにをするっらんぼうだ』
じたばたするチュニを前足で押さえ込み、ゼッカイは厳しく叱った。
『何をする、じゃない!急に走り出したりしては駄目だと言っただろう!』
『え〜?いったっけ』
『…言ったよ』
チュニのキョトンとした表情を見てゼッカイは頭を抱えた。子供の世話など、群れでもした事が無かった。
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