【ワイルドヘヴン】

□Number-15
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尾沢と佐古田は、ごく普通の事務所にしか見えない小さなビルの入り口を両側から挟むようにして、刑事ドラマの登場人物よろしく麻酔銃を構えていた。その入り口には、例のペンダントと同じ温泉マークの偽物のような図形が描かれている。反古紙で目張りがしてあって中はよく見えない。が、隙間から時々覗く人影は、尋常の会社員のようではあった。
「つーか何でいきなり麻酔銃構えてんですか!?先ずは穏便にいきましょうよ」
そう囁いた尾沢を佐古田は睨みつけた。
「ガイライ操るような奴らとマトモな話ができるか!脅して、奪って、終了だ馬鹿野郎」
「それ強盗じゃないすか…」
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