飛ぶ探偵

□flight-04
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東京都と接した某県K市へと向かう列車の中、四ヶ伍七見は落ち着かなげに深呼吸を繰り返していた。
「何で俺まで行かなきゃなんねーんだよ…」
ボックス席の向かい側に座ったフォーマルスーツ姿の清治が愚痴をこぼす。きちんとネクタイを締めているにも関わらず、やはり"そっち系"に見える。それを自覚していた清治はあまり機嫌が良くなかった。
「う、うるさい。それより言葉遣いに気をつけろ。叱られるのは僕なんだぞっ」
七見はトランクから櫛を取り出すと車内のトイレへ席を立った。
「何度髪直したら気が済むんだあいつ」
「7回目だねぇ」
清治の呆れた声にさよりが笑顔で頷いた。
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