飛ぶ探偵

□flight-07
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「俺と宗市は双子として生まれました」
足立浩市は、未だ苦い顔で俯いている宗市に背中越しの視線を注ぎながら語り始めた。
「物心がついた頃にはもう俺たちは自分達の能力を知っていました。俺には宗市が送信しようとしているものが感じられたし、宗市もそうだった。感じたものを"呼ぶ"事で物体が移動する。テレポートという言葉を知ったのは随分後になってからでしたが、俺と宗市は自分達が他の人間と違うという事はよく判っていました。だからなるべく目立たないように過ごしていたんですが、」
浩市はそこで暗い息を吐き出した。
「運が悪かったんです、俺の」
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