短編/連作

□佐渡とプードル
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2008/03/09(日)
ふたり

シャンプーをしてやっていると、プードルが眠そうな声を出した。
「佐渡よォ…」
なんだよ。
「知ってんだぞ俺は」
何を。いつもこうしてもったいぶった言い方をするのだ、コイツは。
「佐渡は、俺を友達か何かだと思ってんだろ」
悪いかよ。
「悪いよ」
プードルは、ペ、と唾を吐き、僕は少しショックを受ける。僕とプードルは友達だと思っていたのだが、それは僕の一方的な思い込みだったようだ。
「俺の方が絶対先に死ぬんだぜ。そしたらお前、後追い自殺するじゃん。な?だからダメじゃん」
逆だ。コイツ思い上がってる。しないよ。
「ええ!?しろよ!」
しないよ。
僕はプードルを抱き締めた。
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