知らない。

□ねずみ穴の3人
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ジェミニー航空隊によって四文字爆撃された不可思議村の人々のうち、奇跡的に漢字を間違えて覚えていた、ヘンリー、ジュスタル、バンバゲーラの3人は、ねずみ穴の中に閉じこもって報復の歌詞を考えていた。ヘンリーは蝋燭立てを振って気合い充分だったが、ジュスタルは気合いという概念自体に否定的だったので、三時間後、ヘンリーを半角カタカナで刺した。
「狭い部屋で何を!」
と、バンバゲーラが叫ぶ。語尾が緊張で裏がえった。だが、それが良かった。
「それだ!」
と、ヘンリーが半角で笑った。ジュスタルも笑顔で言った。
「それだ!も、それだ!」
こうして歌詞が決まった。3人は忘れないようにハガキにそれをメモして自分宛に送り、ジェミニー航空隊の泣き叫ぶ様が目に見えるようなバンドにしたい、と誓った。
…脅迫に使うためのドラムを買うために、一生懸命ヌードデッサンのモデルがんばろうね…
ヘンリーの心の声が半角で聴こえたみたいな気持ちが少ししたが、文字化けした。

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