知らない。

□thing
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二日前、バッドショッピングで、「スーパー窓から落ち太」を買ったばかりなのにもう新型が発売された事に衝撃を受けたデハ石は、真新しいスーパー窓から落ち太を小脇に抱えて外に飛び出すと、冷たい多摩川の水中に、スーパー窓から落ち太を投げ捨てた。新しい窓から落ち太が発売されてしまっては、こんな旧型の窓から落ち太はゴミである。無念極まったデハ石は、CMでしか使われる事のない、珍しい青い尿を流して悲しんだ。
ふと顔を上げると、デハ石の目に、落ち葉に囲まれて川を流れてゆくスーパー窓から落ち太の姿が映った。
物は涙を流さない。ましてや青い尿など、流したくても流せないのだ!
デハ石は、傲慢にも珍しい尿など出した自分が急に恥ずかしくなった。靴が濡れるのにも構わず、川に飛び込み、スーパー窓から落ち太を掲げ上げた。
すまない、スーパー窓から落ち太!俺は…生き物だからっていい気になっていたんだ!
そしてデハ石は直ぐに家に帰り、スーパー窓から落ち太を二階の窓から落とした。スーパー窓から落ち太は、犬小屋の屋根に当たって粉々に割れた。きっと明日は虹が出るだろう。

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