知らない。

□労働
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働き者のお爺さんとお婆さんがいて、お爺さんは山に働きに行き、お婆さんは川に働きに行った。
お婆さんが川で死ぬほど働いていたら、川から労働基準法が流れてきて、お婆さんは慌てて休んでいるふり。
あーもう今日全っ然働いてないよーやばいよー
などと口笛吹き吹き鼻くそ小指。そして労働基準法が去ったとたん、お婆さんはものすっごい働きまくった。
もちろん同じ頃、山でお爺さんも有り得ないくらい働いていた。しかも道具を一切使用しない!素手で労働!
二人は、夕方帰って来ても、休まない。休んでいるふりをしてお互いを牽制し、見られていない時は隠れて働いているのだ。
相手が働いているのを見た時は、ここぞとばかりに馬鹿にしたいという願望が膨れ上がる。
やーい。何働いちゃってんの?馬鹿みたい。
そう言いたいお爺さんとお婆さんはすごい目で互いを監視していたら、普段からそうゆう目の人になってしまった。
医者に、
「一生ゲイラカイトのような目のままです」
と言われた。ああ、その病室の壁の、白さ。
 

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