知らない。

□最初から25
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こんばんは。俺の名は、偽小金井(最初から25歳)。さっき道に落ちていた骸骨に、筋肉を貼り付け、落ちないように脂肪でとめて、その上に皮膚を塗って乾かしてできた良い大人です。できあがったばかりで何ですが、さっそくくだらない日常をやろうと思い、ブルートレインで首都東京に繰り出した。
東京駅の銀の鈴の前で独りで待ち合わせとうそぶく。手頃な会社員を見つけたら、後を付けて、何気ない様子で会社に不法侵入。あたかも働いているような動きで空あくせく。昼休みには給湯室で女子社員たちに紛れて悪口風の口パク。おっと、アゴがズレてきちまった。あぶねぇあぶねぇ。
そんなこんなでタイガーパレス306(空き家)を占拠した俺は、嬉しくなって、ついついバラエティー番組など見ている真似事。
ワハハハハ。ワハハハハ。この、押し竹メイビーって芸人おもしろーい。
電源がついていないのにここまで出来るなんて、まったく偽人間やらしとくのは勿体無いほどの俺のド迫力演技。満点。
だが俳優にはならない。なぜなら俺には夢があるからだ。
一度で良いから、森林公園に行ってうるしにかぶれたい!
寝るふりをする直前にそんな事を思いついてしまったので、興奮してしまって、もう寝るふりどころではなくなってしまった。矢も楯もたまらず夜の新宿に飛び出した俺は、すごいスピードで、全日本うるしかぶれわざとの会を作った。端っこのほうちょっと失敗したが、あたたかい色使いの素敵な会に仕上がりました。はやく森林公園に行くのが楽しみです。この会ではあだ名で呼び合うことにしよう。俺の新しいあだ名は、仮面ライダーわざとに決めてある。
関係ないが、偽人間の寿命は5日だって。馬鹿にしている。長すぎる。だって明日には絶対森林公園に行くから。

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