【RとP、そしてG】

□第5章
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燭台の揺らめく明かりの中にボンヤリと人型のシルエット。
「…誰か居るんすか?」
意を決して、尋ねた。いや敬語になっちゃったのは、今、縛られてるおれとしては事を荒立てたくねえっつうかさ。キレられたら逃げようがねえじゃん。
すると、そいつは。ピクリと震えたかと思うと、こちらに近づいてきたではないか。情けない話だが、おれはもう、ひゃ。とか言って、ただ目をつぶった。ちょうど、ゴキブリが向かって来た時のように。
しかし、来たのは、声。
「私に話しかけたという事は貴方、勇者クリムトですね…ああ待ってました。貴方を、ずっと。もう来ないかと思っていた。」
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