【ワイルドヘヴン】

□Number-01
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尾沢が宇宙生物管理局・多摩支部に就職し、地方公務員となった事自体は、予想外でも何でもない。大学で宇宙生物に関する学部に在籍していた尾沢には、教授のコネがあった。安定収入のある公務員というのも尾沢には向いている。では何が問題なのかと言うと、まず、管理局の中でも衛生課に配属された事だ。危険、汚い、過酷、の衛生課に。理系大卒の尾沢としてはこれだけでも衝撃だった。けれど本当の不幸は、組まされた上司がアレだった事にある。
通勤パイプに乗りながら、尾沢は、上司、佐古田純三の顔を思い浮かべて自動的に溜息が漏れた。
ああ…どうしてこんなことに?
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