【ワイルドヘヴン】

□Number-01
3ページ/25ページ

衛生課に割り当てられた局内のデスクに、佐古田は絶対に居ない。配属されて1ヵ月たった今、尾沢はもうそれを知っている。迷わず、駐車場に向かった。車体の横に描かれた宇宙生物管理局マスコットキャラクターの「スター君」と対象的に、恐ろしく不機嫌な顔をした男が乗っていて。
「おはようございます!佐古田さん」
尾沢はビシッと頭を下げた。佐古田は銀縁眼鏡を中指で押し上げながら、尾沢の方を見もせずに言った。
「尾沢ァ…お前は日ごろ、季節ってモンを意識してるか?」
「は…?」
挨拶直後に怒鳴られるか殴られるのが常なので、それを覚悟していた尾沢は妙な表情で頭を上げた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ