【ワイルドヘヴン】

□Number-02
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そこは排水溝の一種であったのだが、そのようなものの存在しない、キノコ類とシダ類の楽園と言われる惑星ミミナの生き物、ゼッカイが、それを知るはずもない。揺らめく身体を引きずりながら、ひたひたと奥へ進んでゆく。どんどん重くなってくるゼッカイの脳髄に浮かんだ思いは。
ひょっとして俺はこの妙な場所で死ぬのではないだろうか?
ゼッカイは、少し笑いたくなる程に絶望的な気持ちでその奇妙な洞窟の中を見回したが、暗くてよく見えない。黒い小さなものがチョロチョロと何匹も走っている気配。
と、その時。ゼッカイの、嗅覚を司る細胞は、煌めく金色の微粒子を捉らえた。
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