【ワイルドヘヴン】

□Number-07
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橋の上に何かがいるようにも思えたが、この位置からでは視覚よりも匂いに頼って生きているゼッカイにはよく判らなかった。オルドマの予言とはいえ、こう見通しの良い場所で風下に向かうのはやはり恐怖を感じる。故郷ミミナであれば飛び散る菌や胞子達が多少なりとも姿を隠してくれるに違いないのだが、とゼッカイは溜息を漏らした。
「はしとかいうモノに危険はないのか?例えばその…毒があるとか、そのような事は?」
「どく!?…テレビなめらんないからチュニわかんない…」
チュニが首を傾げたその時である。
「毒、ない。でも、あそこ、あぶないです」
生臭い「言葉」が聞こえてきた。
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