【ワイルドヘヴン】

□Number-18
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「ややー?まら追いかけっこなのか?追いかけっこチュニ飽きたんのよ」
面倒そうにチュニが顔をしかめた。地球人の出入りする石の箱や、ピカピカ光るものたちもここにはない。視界を胞子の金色が支配するミミナ星とは違い、緑色ではあったが、まともな景色である。チュニが歌のひとつも吠えたてたくなる気分はゼッカイにも分からなくはなかった。けれど、何かがおかしい。何かが。正体不明の違和感に、ゼッカイの尻尾の毛根が反応していた。ホウキのような尻尾を見て、ケイメロが
「どうしたのゼッカイちゃん」
巨大な一つ目を瞬かせて首を傾げる。
「奇妙なんだ…」
ゼッカイは訝しげに遠くを見渡した。
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