飛ぶ探偵

□flight-03
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「僕は探偵だ、ペット相談室じゃない!」
七見の悲痛な叫びに、清治はこめかみを押さえる。
「まっとーな仕事なら何でもいいじゃねえか。今マープルさんがタンカきるとこなんだから邪魔すんなよ」
「ミスマープルは啖呵なんか切らないぞ…というか、お前まだそれ読んでるのか。今どこだ?青いゼラニウム読んだか?あの話好きなんだが」
七見が腕組みをして偉そうに覗き込んできた。
「何だまだ動機対機会か。ふふん、鈍いぞ」
「うるせえな覗くな!」
「はーい珈琲ですよ所長」
不思議な甘い香りを漂わせつつ簡易キッチンからさよりが出てきた。途端、来客を告げるドアチャイムが、りん、と鳴らされた。
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