飛ぶ探偵

□flight-05
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「いらっしゃいませ〜」
お茶と共に爽やかなスマイルを披露したさよりに弱々しい会釈を返した依頼人は、清治の顔を見て一瞬ビクリと肩を震わせたが、
「本日はどのようなご相談でおいでですか〜」
と柔らかく尋ねるさよりに解されて、怖ず怖ずと口を開いた。
「…あの…ちょっと変な事なので…無理だったらあの、大丈夫なので…すみません、えと、」
「大丈夫ですよ〜。ハムスターでもカメレオンさんでも、100%の実績を誇っております」
「あ…そ、そういうのではなく、あの…ある人を、調査して頂けないかと…」
途端、アコーディオンカーテンの向こうで七見がカップを取り落とす音がした。
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