短編/連作

□140字物語
2ページ/4ページ

2011/06/20
お題:「星空」「指先」「抱擁」

(抱擁ぐらいはしたいのですが)と、ネネ君はテレパシーで言ってから、β爆弾でバラバラにされ人差し指だけになってしまった体をくねらせて、同じく薬指の先しか残っていない私を抱いた。(こんな有様ですのでどうかこっちを見ず、星空でも眺めていて下さい)(安心して。目もないから)(そうでした)


2011/06/22
お題:「ゼロ距離」「唇」「二人」

自らを餌にして襲わせ、ゼロ距離から射撃する方法で有名なそのゾンビハンターは、唇のないゾンビに拳銃を押し付け「二人の最後のくちづけに乾杯」そう囁いてから引金をひいた。何ですそれ?と尋ねると彼は恥ずかしげに答えた。「ゾンビ化した恋人とキスをしてこうなった人なんじゃないかなと思って…」

2011/06/23
お題:「夢」「好物」「情」

「あんたに情があるなら、今すぐ私の頭を撃って!」ゾンビに噛まれた女は懇願したが、男は首を横に振る。「大丈夫、きみの好物がラザニアから人肉に、きみの夢が踊り子から内臓完食に変わるだけ。さあどこへでも行きな」男はゾンビ化した女を野に放った。女はよろめきながら新しい夢を追い歩き出した。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ