短編/連作

□三人組シリーズ
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2008/06/06(金)
三人組の喪失(3)

ある朝いつもの廃ビルで、板尾、上野が目覚めると、浅倉の姿が無かった。
「どこにもいないんす」
先日きれいに白骨化した上野が不安げな声をあげる。風化寸前の骨の体で無意味な煙草をくわえた板尾は応えた。
「ほっとけ。どうせどっか遊び歩いてんだ」
「でも最近、浅倉先輩めっちゃ減ってたすよ、量が」
風化して久しい浅倉の、塵となった体の量は、確かに近年減り続けていた。
「まさかとうとう死んだんじゃ…」
上野の言葉を板尾が遮る。
「バカ言え。塵になっても死なねえ奴が死ぬかよ」
だがその日、浅倉はついに帰らなかった。死ねない3人は、どうやら2人になった。
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