短編/連作

□佐渡とプードル
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2008/05/07(水)
プライド

近頃プードルの機嫌が悪い。言いたい事があれば言えば?と、告げると、プードルはドッグフードを噛み砕きながら
「佐渡。お前は俺の気持ちが全っ然わかってない」
と、ため息をついた。何だよ。判るように言えよ。
「それとも遠まわしなイヤミかアレは。え?オイ」
だから何が。
「防犯ベルだよ!侮辱だ!俺がいるのに、俺がいるのに何で防犯ベルなんだ!」
うわ、メンドクサ…。お前の為なのに。最近、犬を襲う泥棒がいるんだよ、と僕が説明するとプードルは。
「ちっ、お前散歩中、悪漢に襲われねーかな。そしたら俺の実力が判るのに」
何てこと言うんだこの馬鹿。僕は呆れて、プードルの耳の裏を撫でた。
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