短編/連作

□悪のカリスマ
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はっきり言って僕のようないち戦闘員は総帥閣下に直接お会いする事など普通ない。せいぜい集会でバルコニーから手を振る姿を目にするぐらいだから、こんな近くで閣下を見るのは初めてだった。思ったより小柄だ。宇宙からの光線を浴びて"超人類"になったという閣下は、紫に輝く身体を隠すためなのか、今日は変な帽子とマスクを付けており、力を制御するための荘厳なコスチュームも安っぽいレインコートで隠している。正直、想像していたより怖くなかった。
「あの、閣下、ですよね?」
そう尋ねると総帥閣下・ネオ様は、サッと青ざめた。
「なっ、なぜわかった!」
「いや普通にわかりますって」
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