エゴイスト(短編)
□☆二人でお出かけ☆
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今日は久々に野分とのお出かけだ。
待ち合わせ場所に早めにいつも着く俺は野分が来るのを本を読んで待つ。
俺は野分と久々に出かけることが嬉しい・・・なんてことは口に出して言えない。
素直になった方がいいとは思っていても中々なれない。
今日のお出かけは勇気を振り絞って野分に開いている時間を聞き、行くことになったのだ。
とは言っても行く場所は決めていないが。
どこ行こうかな・・・・って ど、どこでもいいだろっっ
そんなことを考えていると、見慣れた物(者?)がこっちに向かってくるのが見えた。
「ひ、ヒロさん! すみません、待たせてしまいましたか?!」
「いや、俺も今来た所だし・・・ それにまだ時間になってないだろ。」
「はい。でもヒロさんのことだから早く来ているだろうと思って。」
「っっ// と、とにかくどこ行くんだ?!」
俺の行動はすべてお見通しって訳か・・・・
「どうします? ヒロさんと一緒ならどこでもいいですよ。」
「っっっ/// う、うるさい! 早くどこか決めろ!」
こいつは外に居ようがお構いなくそういうことを言うんだ・・・・
「あ! お散歩っていうのもいいんじゃないですか?
桜もだんだん咲いてきていますし。」
「お、おう。 いいぞ、何でも。 梅の匂いもするしな。」」
自分も野分と一緒だったらどこでもいい、なんてことも直接言えない・・・
俺達は並んで公園や並木道を歩いた。
桜は満開では決してないが、所々に咲いているのも綺麗だと思った。
「綺麗だな・・・・」
「はい。 ヒロさんの方が綺麗ですけど。」
「////お、お前はなっっ・・・・・」
そう言い、俺は恥ずかしくなってダッシュで走り出した。
「ちょっ、ヒロさん! 待ってくださいよ!!」
「う、うるさい!! お前が変なこと言うからだ!!!!」
そう言い、久しぶりに思いっきり走るのを心地よく感じながら野分から逃げた。
「はぁ、はぁ、、、、疲れたーーー」
「ヒロさん・・・足・・・早すぎです・・・」
俺達はしばらく走った後、近くにあったベンチに腰掛けた。
「飲み物いります?」
「おう。自動販売機あるかな・・・・」
「さっき見かけましたよ。走っているときに。
俺買ってきます。」
「いや、いいよ。俺が走らせたんだし。」
「大丈夫です。特に飲みたいものありますか。」
「いや、一本を二人で飲めばいいよ。」
「!!
分かりました!すぐ買ってきます♪♪」
野分は再びダッシュで自動販売機へと向かった。