エゴイスト(短編)

□☆二人でお出かけ☆
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野分は俺の肩を掴んでいた野郎を思いっきり突き飛ばした。

「いってぇええ!

!!??」

野分はソイツの胸倉を思いっきり掴んだ。


「次こんなことしたらただじゃおかない!」


「っっっ!!!

チッ!!!」

ソイツは野分の迫力に押されて慌てて逃げていった。

「ヒロさん、大丈夫ですか?!」

「え?あ、ああ・・・」

自分でも気づかなかったが、相当怖かったのか、震えているのが分かる。

「すみません、すみません!!

俺がもっと早く戻っていれば・・・!!!」

野分は俺のことを抱きしめた。

さっきの恐怖とはまるで違う安心感に満たされる・・・

「お前が悪いわけじゃないだろう?と、とにかく今日は帰ろう。」

「はい。」

そう言って歩きだしたものの、野分はがぴったり俺の傍にいるから恥ずかしいったらありゃしない・・・・


「あのな、お前もう少し離れて歩けよ。」

「無理です。ヒロさんから離れたくありません。」

「はぁぁぁぁ・・・・」

でも嬉しいのも確かだ。

野分が近くにいるとこんなにも安心していられる・・・


「野分、ありがとな。」

「!!ヒロさん!!いえ、全然!!当たり前なことしただけです!!



それにしてもヒロさんって何でそんなに魅力的なんですか・・・

もう不安で不安で・・・」


「何ブツブツ言ってんだ?」

「いえ、何でもないです。」


家に着いた俺達は二人共仕事がないため、のんびりと過ごすことが出来た。


俺って幸せだな・・・・なんて思ったが、口にだしては言えない・・・


「ヒロさん、俺、幸せです。ヒロさんと居ることができてすごく嬉しいです。」

「っっ!!!」

「どうしました?」

俺と同じことを・・・


「はははっ!!」

「ど、どうしたんです?急に?」

「いや、俺も同じこと考えてたな〜〜〜って思ってさ。」


「!!」

すると野分は急に俺を抱きかかえたのだ。

「うわぁっ!ちょっ、何すんだよ!!」

「もっと幸せを味わいましょう。」

「はぁ?!」

野分は俺を抱きかかえたまま、自分の部屋に向かっていた・・・
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