エゴイスト(長編)

□涙の美しさ
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(津森視点)



はぁ、昨日は上條さんのことを考えていたせいであんまりよく寝れなかたからすごく寝不足だ。

今日は久々の休みで医学関係の本を買いに本屋に来た。


探していた本が見つかってレジに向かっている途中で昨日から頭から離れない人がいた。

「かーみじょーさん」

「うわぁ!!」

あえて冷静を保って文学の本を持っている上條さんに話しかけると、

急だっかたからか思ったよりびっくりされた。

「何してるんすか?」

「あぁ、ちょっと大学で必要な本があったので…

津森さんはどうなさったんですか?」

あぁ、相変わらす綺麗な顔してんなぁ…

「俺も医学絡みの本を買いに来たんすよ。
俺もまだまだ勉強する必要あるんで」

そう言うと上條さんは少しだけ驚いたような表情を見せた。

「どうしたんすか」

「あぁ、いや、思ったより真面目なんだなぁ…って思って…

それに俺にとったら意味不明な本読めるなんてすごいと思って…」


ドキッ

か、上條さんに褒められた…

「…」

俺がびっくりして止まっていると、上條さんは慌てだした。


「あ、すみません!失礼なこと言って…」

どうやら思ったより、と言ったことが失礼だったから俺が話さなくなったのだと思ったみたいだ。


「あ!違いますよ!ただちょっとボケ〜としていただけなんで…


あ、そうだ。もう昼だし、一緒に食べに行きません?」

「え?」

ついつい食事に誘ってしまった…。

上條さん驚いてるし、絶対に断られるよな…。



「いいけど・・・」


「…え?!いいんですか?!」

よっしゃぁあ!!

初デートゲット!!

「じゃあ美味しいとこ知ってるんで案内しますよ」

って、何俺はしゃいでるんだよ?!

しっかりしろ、俺!!
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